シャルロッテと羊飼い

一日も 何もなかった日 なんてなかったよ

泣いてもいいですか

異動前日。

異動の通達があったのはなんと1週間前。わりと真剣な顔の次長、ニヤニヤ顔(わたしの机のももクロの写真を見ては笑っていました笑)の部長からのなんとも急なお話に二つ返事でOKしました。決め手も何も、「向こうのことが何もわからないから断る理由が見つからない」という、何ともふわふわなわたし。あまりのあっけない返事に次長に「まあ嫌と言われても困るけど笑、本当にいいのか?」と聞かれるも、「え?何かダメなことあるんですか?怖い!」と、なんともすっとぼけた返事をしたために部長がさらにニヤニヤし、即座に異動が決定。(2人が来た時点でクビか左遷かとビクビクしていたので「なあんだよかった」とすら思いました笑)大好きなお兄さんお姉さんに「向こう行ったらつまらん!」と言っていただき、とても嬉しく思ったものの、ふわふわすぎて、1週間しかないのに実感がまるで湧かず、通常通り日々を過ごしていました。(「向こうにいきます」と書いた紙を持って、捨て猫よろしくデカいダンボールに入ってふざけていたのはふわふわの仕業です)

 

土日に差し掛かったところで急に引継ぎへの焦り、新しい環境への不安や寂しさが嵐のごとく襲ってまいりまして、人知れずパニックになりました。次の担当者のスケジュールとの兼ね合い上、引き継ぎ期間は前日1日のみ。特殊パターンを含め全て教えるとなると膨大な量の仕事を1日でザッと引き渡さなければいけないため、嗚咽を漏らしながら作業書的なものを作成しました。

 

そしてついに5月27日。現職場で働く最後の日がやって参りました。

まあ辞めるでもなく、仕事上での行き来もあるし会おうと思えばすぐ会えるし、仕事内容もあんまり変わらないよ、みたいなところに行くだけで本当に大きな異動ではないため、みんなありがとうこれからもよろしく!!!みたいなサラッとした感じでお別れするつもりでチーズケーキを持って出社しました。むしろこの日は怒濤の引き継ぎデーだったので、お別れのことよりも引き継ぎのことで頭がいっぱいだったと言っても過言ではないくらいでした。結果中途半端にはなりましたが1日がかりで本当にもの凄い勢いで引き継ぎ作業をしていました。

 

この日はいつも良くしていただいているお兄さんが午前中で帰ってしまうとのことでした。昼前にお兄さんが現れ、「寂しくなるなあ」と言ってきましたので、ふざけて「さ、寂しくなんかないんだからね・・・///」と返すと、「ツンデレキャラもいなくなるなあ・・・でもまあちょくちょく顔出すと思うし、向こうでも頑張れよ!」と言っていただき、ハイタッチを求められました。とっても嬉しかったのですが、何というタイミングでしょうか、その時わたしはゴム手をはめて絶賛洗い物中。ずっと両手を挙げて待っているお兄さんを待たすまいとは思うものの、手にこれでもかと貼りつくゴム手。ウンウン言いながらやっとやっとの思いでゴム手を脱いでハイターッチ!と手を挙げると、華麗にスルーされ膝から崩れ落ちました。最終的に無事ハイタッチは交わせたものの、一連の流れがとてもシュールでした。阿吽の呼吸で笑いが生まれるわたしたちにふさわしいお別れの挨拶となりました。嬉しかったです。(その後、「明日さっそく用事あって向こう行くけど、お前誰?って言うわ笑」と言われました。彼も負けじのツンデレでした)

 

午後にひとつ仕事の引き継ぎが終了し、さあ次の仕事!という時に、仕事を引き継ぐお兄さんに「休憩しよ」と言われましたので事務所に行くと、何故かみんな集合していました。「あれ?なんか今からまた担当替え会議でもするのかい?」と何の疑いもなくお茶を飲んでいるところに、まさかのケーキ登場!!!「え?え???」と驚きと同時に涙がこみ上げてきましたが、ケーキをしっかり見た瞬間わたしは誇大表現でもなんでもなくリアルにお茶を噴出しました。みんな「泣くかなあ?泣くかなあ?」とワクワクしていたらしいのですが、まさかの噴き出しにみんな笑い、泣きの雰囲気では完全になくなりました。どうしてお茶を噴き出したのか、なぜならそのケーキはちゃんさん(妹)作モノノフケーキだったからです。

お茶を噴き出しての第一声が「これちゃんさんのや!!!」だったので、皆さん「すごいね、やっぱわかるんや~」と言っておいでましたが、あんないろんな意味でヤバいケーキを作るのはちゃんさんしかいないのです。

 

ちゃんさんの仕掛けた心憎い演出はこちら。

①ケーキにももクロのロゴと5色の家紋がどでかく描いてある

②しおりんダッフィーのマジパン

(黄ハッピ、しおりんポシェット、赤黄紫のペンラ装備)

③あーりんシェリーメイのマジパン

(桃ハッピ、あーりん水筒、桃緑のペンラ、ミラボ髪飾り装備)

④「さおりるありがとうございました」と書いたプレートに小さくう●この絵を忍ばせる

 

ちゃんさんはパティシエさんでして、よく会社の方にもお店を利用していただいているのですが、この度皆様一同企んで、仲良しのお姉さんがちゃんさんに直接注文しに行ったらしく。びっくりですよね。全然知らなかった。前日ちゃんさんが家でマジパンセット広げてたのはこれでした。くんこ(母)も知ってたらしいです。わたしが部屋にいるのを見計らって作っていたそう。くう!全然気づきませんでした。お姉さんと妹の粋な計らいにより、ももクロやダッフィー、推しであるあーりんやしおりん、果ては苦手な生クリームを苺クリームにチェンジなど、わたしの大好きが詰まったケーキでした。ありがとうみなさま、お姉さん、そして病み上がりのちゃんさん。本当に感動&絶叫しました。ももクロに関しての絶叫は全員ハテナ顔でしたが笑 ちゃんさんは「姉のケーキとはいえモノノフとして手を抜くわけにはいかん推し事だった」と言っていました)

 

あまりの出来栄えにみんな包丁を入れるのを嫌がり、何故かわたしが切り分けるはめになりました。しかしいろんな意味で大興奮なわたし、13人いるのに11個に切り分けるというとんでもない大失態を犯し、無理やり残り2つを切り出したのでせっかくのケーキがくっちゃくちゃの地獄絵図になりました。まこと迂闊千万でありました。最後の最後に申し訳ない。

 

それにしても本当に急な上に大きな異動ではないのにここまでしていただけるあたたかい会社、他に滅多にありますでしょうか。グッバイ!と潔く去ろうとしていたわたしにとっては本当に衝撃でした。お姉さんにその旨を伝えたところ、「それはさおりるの人柄というかなんというか、や!」と笑顔で言っていただけて心の底から嬉しかったです。皆様にありがとうと大好きしか出てきません。あまり人前ではしんみりキャラではないので最後まで笑顔で会社を後にしましたが、一人になった瞬間涙が止まらなくなってしまい、運転が大変危なかったです。寂しくて嬉しくてありがとうで大好きで、いろんな感情が渦巻いて号泣でした。皆様にまんまとしてやられました。ありがとうございました。皆様大好きです。この会社に入れて本当によかったです。幸せです。

 

新しいところも知ったお顔の楽しいお兄さんお姉さんがいらっしゃるので、環境の変化への不安はあるものの、ワクワクももちろんあるので、スッキリした気持ちでまたテンション高くがんばって参りたいと思います。仕事するぞーっ!

そんなわけで、地獄の引き継ぎ祭りもあったのでこの日が来るのは正直怖かったのですが、みなさまのおかげでとっても幸せな気持ちで過ごすことができました。

 

(完全に余談ですが、前日ちゃんさんに「この靴下履いてってや!最後の日に人気者になれるよ!」と言われチンアナゴの靴下を渡されました。わたしは律儀にそれを履いて出社し、水面下でサプライズケーキ大作戦が企てられているともつゆ知らず、最後の日だと言うのに仲良しお姉さんにチンアナゴ靴下を見せて大騒ぎしていました。とんでもないマヌケですね。そしてお昼休みにお姉さんたちはちゃんさんのお店へケーキを取りに行ったらしいのですが、その時ちゃんさんはお姉さんに「今日の姉の靴下見ました?今一番テンションのあがる靴下です」と謎の靴下自慢をしたそうです。どうしようもないマヌケですね。この期に及んでもこんなにマヌケな姉妹と仲良く一緒に大騒ぎして爆笑してくれるお姉さん・・・本当に大好きです。しかもお姉さんのおかあさまにもビスケットいただきました。家族ぐるみでお付き合いしていただきまして、もう大好きが止まりません。)